特集 内分泌疾患2
Part 3 専門家からのメッセージ,共有したい知識
【コラム⑥】内科で知っておくべき婦人科の内分泌疾患—多囊胞性卵巣症候群,更年期障害,性分化疾患
平野 茉来
1
,
廣田 泰
2
Mana HIRANO
1
,
Yasushi HIROTA
2
1三井記念病院 産婦人科
2東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座
pp.474-478
発行日 2021年12月22日
Published Date 2021/12/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900925
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key point
・性成熟期女性で月経不順や不妊があり,ニキビや多毛,肥満を合併している場合,多囊胞性卵巣症候群(PCOS)を疑う。専門医から管理を引き継いだ場合,冠動脈疾患や耐糖能異常などのリスクが高いことを考慮に入れてフォローする。
・更年期障害の診断は除外診断によるため,動悸やめまいなどを起こす器質的疾患がないか調べたうえで更年期障害を疑う。ホルモン補充療法の管理を専門医から引き継いだ場合,半年〜1年ごとの採血による副作用の確認と自治体などでの定期的子宮がん検査の勧奨を行う。
・原発性無月経や外陰部異常,特徴的な身体的徴候などがある場合,性分化疾患を疑う。成人したTurner症候群は,ホルモン薬投与が一定になれば専門医からの引き継ぎが可能であるが,社会的変化(結婚など)に応じて専門医への再受診を勧める。
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