特集 内分泌疾患2
Part 3 専門家からのメッセージ,共有したい知識
【コラム⑤】内科で知っておくべき泌尿器科の内分泌疾患—前立腺がん,加齢男性性腺機能低下症(LOH症候群)
中澤 龍斗
1
,
菊地 栄次
1
Ryuto NAKAZAWA
1
,
Eiji KIKUCHI
1
1聖マリアンナ医科大学 腎泌尿器外科学講座
pp.470-473
発行日 2021年12月22日
Published Date 2021/12/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900924
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
key point
・前立腺特異抗原(PSA)のカットオフ値は,検診では全年齢で4.0ng/mLが推奨されているが,専門医診療では70歳未満の年齢層において引き下げられており,若年者では早めに専門医へ紹介する。
・PSA高値症例に生検を行うか否かを判定するため,前立腺に対するMRI検査が推奨されている。
・症例を専門医から引き継いだ場合,あるいは専門医と併診している場合,前立腺がんに対する長期のホルモン療法では,性機能障害,ホットフラッシュ,女性化乳房,骨密度低下,糖・脂質代謝異常などの内科的有害事象に注意が必要である。
・加齢男性性腺機能低下症(LOH症候群)を疑い,AMSスコア,遊離テストステロンのカットオフ値を下回る場合は,男性ホルモン補充療法の適応となるため,専門医への紹介を考慮する。
・LOH症候群におけるテストステロンの低下は,内臓脂肪の増加,動脈硬化,骨粗鬆症など,メタボリックシンドロームのリスクを高めるため,内科的管理も重要となる。
Copyright © 2021, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.