特集 抗血小板薬,抗凝固薬のすべて
1.血小板の機能と抗血小板薬の作用機序—止血のメカニズムから種々の薬剤の理解を深める
安部 涼平
1
Ryohei ABE
1
1慶應義塾大学医学部 血液内科
pp.431-436
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900690
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血小板は径2〜4μmの円盤状,無核の細胞である。生体では骨髄において巨核球から産生され,末梢血中で7〜10日間生存したのち,脾臓で細網内皮系のマクロファージにより処理される。血管の損傷によって出血が起きた際には凝固因子と共同して止血を担う一方で,動脈硬化を基礎とした血栓症の形で発症する心血管疾患においても中心的な役割を担っている。現代では,主に心血管疾患の予防を目的としてさまざまな抗血小板薬が開発され,用いられている。
本稿では,血小板の機能と抗血小板薬の作用機序について概説する。
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