特集 総合内科のための集中治療
Part 2:システムごとに診る
10.腎臓—臨床医を悩ませるAKI診療:対照的な2症例のマネジメント
服部 憲幸
1,2
,
中田 孝明
1
,
織田 成人
1,2
Noriyuki HATTORI
1,2
,
Taka-aki NAKADA
1
,
Shigeto ODA
1,2
1千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学
2千葉大学医学部附属病院 人工腎臓部
pp.333-342
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900678
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はじめに対照的な2つの症例を提示する。いずれも既往歴のない40歳の男性に生じた急性腎障害(AKI*1)であるが,2症例のマネジメントは大きく異なる。そもそもAKIは腎機能の低下のみによって診断され(表1),その成因を問わない。したがってAKIの臨床像は症例によって大きく異なり,1つの治療方針で対応することは極めて難しい。そのためAKIに対してさまざまなクリニカルクエスチョン(CQ)が未解決のまま残っている。
本稿では,AKI診療において多くの臨床医が悩むであろうCQに対して現在の知見を解説する。
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