入門講座 生化学
対照のおき方
松村 義寛
1
1東京女子医大生化学
pp.514
発行日 1967年7月15日
Published Date 1967/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916677
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試薬の純度があまりすぐれたものでないことは前に述べた。そのために試薬中の不純物の影響で検査が妨害せられることがある。たとえば標準液では発色がうまくいき検量線は直線となって原点を通るきれいなグラフが画けたのに生体試料に対しては呈色が思わしくなく,正常な試料と考えられるのに値は異常なことになるというようなことが起る。これは試薬中の不純物が標準液とは反応しないのに生体試料中の目標物質以外の成分と反応して結果を妨害するためであることがよくあるためである。
試薬は同じメーカー,同じロットのものは同じ性質であるが,ロットが異なると性質がちがい,メーカーが異なるといちじるしく異なることがある。
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