特集 総合内科のための集中治療
Part 2:システムごとに診る
【コラム③】ARDS概論—診断・治療の全体像を整理する
片岡 惇
1,2
Jun KATAOKA
1,2
1練馬光が丘病院 総合診療科/救急集中治療科
2東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門
pp.278-289
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900674
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急性呼吸促迫症候群(ARDS*1)は,ICUにおける最も死亡率の高い疾患群であり,医学が大きく進歩しているにもかかわらず現在でも重症ARDSの死亡率は40%と非常に高い1)。
ICUにおいて人工呼吸器管理が行われる患者の1/4はARDSといわれているが1),そもそもARDSという疾患概念が曖昧で,国際的な定義2)は「ARDSとは何か?」に答えてくれるものではない。また,ARDSそのものを根本的に改善させる治療法は発見されていないなか,治療において重要なキーワードは「肺保護換気」となり,常に人工呼吸器による換気と患者自身の呼吸が肺を傷つけないように管理することが求められる。
本稿では,このとらえにくいARDSの診断・治療についてホスピタリストが知っておくべき内容をまとめた。日常のARDS診療の一助としてほしい。
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