特集 外来マネジメント
【各論】
8.身体症状を呈する精神疾患—パニック発作・不安障害・うつ病を敬遠しない!
加藤 温
1
On KATO
1
1国立国際医療研究センター病院 精神科
pp.107-116
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900649
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一般外来において身体症状を訴えて受診するも,身体診察や各種の検査からは異常が見つからず,メンタルの問題を疑われるケースは少なくない。
通常は器質的疾患を除外してから精神疾患を考えるのが原則である。しかし実際の臨床現場では,身体症状が精神疾患の症状の1つとして出現したり,身体と精神双方の問題が同時に存在することもあり得る。例えば味覚異常で外来を受診した患者において,血清亜鉛値が若干低いがうつ状態にある場合など,身体問題もありそうだがうつ病を否定できないこともある。
したがって,一般内科医,ホスピタリストとしては,身体症状を呈する患者からいかに精神科の問題を見極めていくか,どのようなケースは精神科へ紹介すべきかについて理解しておく必要がある。本稿では,精神科医の立場から述べてみたい。
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