内科医が診る不安・抑うつ どこまで診るのか、どこから診ないのか
内科医にできる不安障害・うつ病の評価と治療 不安障害・うつ病の身体症状
中尾 睦宏
1
1帝京大学 医学部衛生学公衆衛生学・心療内科
キーワード:
うつ病
,
悪心
,
身体表現性障害
,
疲労
,
不安症
,
不眠症
,
プライマリヘルスケア
,
腰痛
,
関節痛
Keyword:
Anxiety Disorders
,
Depressive Disorder
,
Fatigue
,
Sleep Initiation and Maintenance Disorders
,
Nausea
,
Primary Health Care
,
Somatoform Disorders
,
Low Back Pain
,
Arthralgia
pp.243-249
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010107267
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
不安障害とうつ病に共通してよくみられる身体症状は、疲労、不眠、関節痛、腰痛、嘔気などである。いかなる身体症状にせよ、「何となく身体的な不調感を有している」という所見が不安障害やうつ病を疑うヒントとなりえる。身体症状を訴えていたら、他の身体症状はないか、その総数はいくつか、心理社会的ストレスの影響はないか、日常生活にどの程度支障をきたしているかを評価したうえで、メンタルヘルスの問題を考える。不安とうつと身体化の3者は相互に関連し合っており、単独の要素のみを引き出すことはむずかしい。したがって病気の心身相関を理解し、サポーティブな態度で面接を進めていくことが不安障害やうつ病を見抜くコツとなる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010