連載 内科医が知っておきたいメンタルヘルスプロブレムへの対応・3
パニック発作
中尾 睦宏
1
1帝京大学医学部衛生学公衆衛生学・心療内科
pp.600-603
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102662
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パニック発作は,動悸,胸痛,息苦しさといったさまざまな身体症状が突然始まり,精神的に強い不安や恐怖の感情を伴う状態である.発作は10分以内でピークに達し,患者は気が狂ったり,死ぬのではないかという恐怖感をもつ.米国の統計によれば1),一般人口の3~6%が生涯のうち一度はパニック発作を経験し,うち20%が救急外来を受診すると言われている.内科で当直をしているときに遭遇するケースも稀でない.パニック発作で問題なのは,発作が始まっても通常20~30分で終了するため,受診時には異常所見がなく適切に対処されないまま帰されてしまうことが多いことである.
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