特集 心不全
Part 2:ERで出会う心不全
7.すぐに手術が必要かもしれない急性心不全:急性MRと急性AR—コンサルト前にしておきたい心エコー評価,術前管理
武井 康悦
1
Yasuyoshi TAKEI
1
1東京医科大学病院 循環器内科
pp.883-888
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900615
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急性心不全の管理は,病態表現型や進行度(Stage)および基礎疾患により分類整理され,急性期対応に難渋することは少なくなった。そのなかでも心臓自体へのすみやかな関与が必要な疾患として,急性冠症候群(ACS*1),急性心筋炎,急性心臓弁膜症(主に左心系弁逆流)がある。
ACSによる心不全の場合は,冠動脈インターベンション(PCI*2)のタイミングが重要となり,急性心筋炎のなかでも劇症型の場合は,体外循環装置導入のタイミングが重要になる。急性弁逆流では手術適応判断と手術タイミングが重要となるが,急性MR*3(僧帽弁逆流症)と急性AR*4(大動脈弁逆流症)はさまざまな表現型を呈し,診断が難しいことがある。本稿では急性弁逆流症について,心エコーを用いながらの病態把握,循環サポート,手術への流れを概説したい。
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