特集 糖尿病
管理
12.糖尿病における血圧管理—エビデンスをふまえて高血圧合併例に対応する
内田 大介
1
,
河原崎 宏雄
1
Daisuke UCHIDA
1
,
Hiroo KAWARAZAKI
1
1稲城市立病院 腎臓内科
pp.415-423
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900556
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Q1 糖尿病ではなぜ血圧管理が必要なのか?
日本の糖尿病患者は316万6千人,高血圧患者は1,010万8千人(ともに2014年時点)1)で,いずれも増加傾向にある。糖尿病患者の2〜6割は高血圧で,非糖尿病患者に比べ1.5〜3倍多い2)。同様に,高血圧患者でも4〜5割が糖尿病で,非高血圧患者よりも約3倍多い3)。糖尿病と高血圧は密接に関連しており,糖尿病患者では血糖管理だけでなく血圧管理も重要である。
糖尿病の合併症は,大血管症〔動脈硬化,心血管疾患(CVD),脳血管障害〕および細小血管症(腎症,網膜症,神経障害)に分けられる。日本ではCVDは全死亡の15%を占め,死因と大きくかかわる。CVDリスクにはさまざまあるが,糖尿病や高血圧症はそれぞれ独立した大きなリスク因子で4),血圧が高いほど死亡率は高くなる5)。これらに対する血圧管理により,大血管症に加えて,細小血管症の進展を抑制できる6)。
Copyright © 2018, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.