特集 感染症
10.肺炎—多様な病態と起炎微生物に対応した診療を
福山 一
1
,
椎木 創一
2
Hajime FUKUYAMA
1
,
Soichi SHIIKI
2
1沖縄県立中部病院 呼吸器内科
2沖縄県立中部病院 感染症内科
pp.249-257
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900433
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■初期診療(図1)
肺炎の臨床症状は全身症状(発熱,倦怠感,食欲低下)と胸部症状(喀痰,咳嗽,呼吸困難,胸痛)である。身体診察では特にバイタルサインの変化や胸部異常所見に注意する。そして胸部X線写真で新たな陰影があった場合に肺炎と診断される。血液検査の炎症所見〔白血球数,左方移動,CRP(C反応性タンパク),PCT(プロカルシトニン)〕も参考になる。典型的な症状を呈している場合の診断は比較的容易だが,高齢者は症状や身体所見に乏しいことがあり,胸部X線写真を行う閾値を低くしておくほうがよい。肺炎と診断すれば,重症度評価と治療場所の決定,微生物学的検査を行い,すみやかに抗菌薬を投与する。
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