特集 腎疾患
【慢性腎臓病(CKD)】
【コラム】uremic bleeding—尿毒症患者における出血傾向の特徴
内藤 貴基
1
,
平岡 栄治
2
Takaki NAITO
1
,
Eiji HIRAOKA
2
1東京ベイ・浦安市川医療センター 集中治療科
2東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
pp.223-226
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900411
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uremic bleeding(尿毒症患者の出血傾向)は,腎臓専門医にとっては常識かもしれないが,他科の医師にとってはなじみのない疾患概念かもしれない。uremic bleedingに対する的確な日本語訳を筆者は知らず,本稿ではこの表記をそのまま使用する。
uremic bleedingという言葉が臨床的に使用される場合,透析患者によくみられる皮膚の点状出血や紫斑,鼻出血といった典型的な症状だけでなく,出血傾向により悪化した消化管出血などの活動性出血も包括される。手術などで出血がコントロールしにくい場合にも,この概念を知っておくことが重要である。多くの慢性腎臓病患者や透析患者を受け持つホスピタリストにとってはuremic bleedingという疾患概念は必須の知識である。uremic bleedingは,さまざまな因子による症候群であり,その治療に関しても20年以上前に行われた極めて症例数の少ない研究1)によって支持されるものであり,明らかにされてない部分が多い。本稿ではuremic bleedingについてわかっている病態生理,そして治療について述べる。
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