特集 腎疾患
【急性腎障害(AKI)】
6.AKIにおける腎代替療法(RRT)—各モダリティとその施行方法
浦江 聖也
1
,
柴垣 有吾
1
Seiya URAE
1
,
Yugo SHIBAGAKI
1
1聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科
pp.67-75
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900394
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急性腎傷害acute kidney injury(AKI)の統一された診断基準として,2004年にADQI*1よりRIFLE*2基準が提唱されて以来,2007年にAKIN*3基準,2012年にはKDIGO*4基準が公開され,これらに基づいた疫学調査が多く行われるようになった。近年の報告では,AKIは入院患者の2%1),ICU入室患者の36%2)でみられ,ここ10年では患者数は増加している3)。また,AKI患者の多くが高齢者であり1),高齢者人口の増加が続いている日本においては,今後も患者数は増加していくと考えられる。
1945年にKolffらが血液浄化による腎代替療法renal replacement therapy(RRT)でAKI患者の救命に成功して以来4),多くのAKI患者への治療としてRRTが用いられてきた。現在,RRTは主として腎臓専門医もしくは集中治療医によって施行されていることが多いと思われるが,AKI患者におけるRRTの必要性を見極め,専門医コンサルトへつなげることは,ホスピタリストの役目にほかならない。また,AKI患者数の増加に伴い,ホスピタリスト自身がRRTを実施する場面も増えてくることが予想される。本稿では,今後ますます需要の高まるAKIに対するRRTについて概説する。
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