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小児に対する急性血液浄化はまだ歴史が浅く,各施設で試行錯誤しながら行っている現状があった。そのような状況のなかで実際に施行された症例報告1~3)があり,また各施設での努力もあり,CRRTの進歩4,5)があったと思われる。
実際の技術的な進歩としては,1994年に旭メディカルからACH-07Sが発売され〔2002年まで当院では新生児に,ペリスタポンプ4)を使用して急性血液浄化を行っていた(図1)〕,続いて,2001年にウベ循研(現・JUNKEN MEDICAL)/東レ・メディカルよりJUN-505/TR-525(図2)が発売されたことで革命的な進歩を遂げた。血液ポンプを1mL/minから回転させることが可能な点が革命的であった。特に,新生児では1mL/minで安定して回転することが,極めて重要である。この血液ポンプにより,これまで大変苦労していた新生児症例に対しても,かなり安定したCRRT*1施行が可能となった。さらに当然であるが,各ポイントでアラームが設置され,CRRTがどのような状況で運転しているか把握しやすくなり,対処も可能となった。また,装置以外にも小児用のモジュール,カテーテルなどが開発された。これらにより,小児急性血液浄化の現場は格段に進歩した。
日本では小児急性血液浄化ワーキンググループによって2007年より全国規模の実態調査が開始され,2008年に調査結果(後方視的)が処方の標準化案とともに報告6)されている。米国では,2005年からprospective pediatric CRRT(ppCRRT)registryのデータ(前方視的)が報告7)されている。ヨーロッパからは2004年に,小児急性腎不全に対する腎代替療法(CRRT,PD*2,IHD*3を含む)のEuropean guidelinesが明文化8)されている*4。
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