特集 膠原病
【各論】
18.Behçet病—病変により治療目標が異なる
大原 由利
1
,
岸本 暢将
1
Yuri OHARA
1
,
Mitsumasa KISHIMOTO
1
1聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center
pp.521-528
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900375
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■疫学
Behçet病(BD)は,1937年にトルコのイスタンブール大学皮膚科教授のHulusi Behçetによって提唱された,眼,皮膚,粘膜病変を主体とする炎症性疾患である。地域的な分布をみると,日本をはじめとした東アジア,中近東,地中海沿岸諸国などのシルクロードに沿った地域での罹患頻度が高く,欧州北部や米国その他の地域では少ないため,シルクロード病ともよばれる(図1)。また,この地域分布は人口におけるHLA-B51陽性の頻度とも合致することは興味深い。
好発年齢は20〜30歳代にピークがあり,思春期前および50歳以降での発症はまれとされる。男女比は1:1で差はないものの,男性のほうが重篤な傾向にある。日本からの報告1)では,男性では眼病変や神経病変が,女性では陰部潰瘍や関節炎の頻度がやや高くなるとされる。
Copyright © 2014, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.