特集 内科診療にガイドラインを生かす
リウマチ・膠原病
Behçet病
陶山 恭博
1
,
岸本 暢将
1
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科
pp.404-412
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107138
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
Behçet's病(BD)は,1937年にトルコのイスタンブール大学皮膚科教授のHulsi Behçetによって提唱された疾患である.現在では再発性口腔内アフタ性潰瘍,外陰部潰瘍,皮膚症状,眼症状の4つを主徴とする慢性再発性全身性疾患として,表1のような症状が知られている.地域的な分布をみると,日本をはじめとした東アジア,中近東,地中海沿岸諸国などのシルクロードに沿った地域での罹患頻度が高く,ヨーロッパ北部や米国その他の地域では少ないため,シルクロード病とも呼ばれる.好発年齢は20~30歳台にピークがあり,思春期前および50歳以降での発症は稀とされる.男女比は1:1で差はないものの,男性のほうが重篤な傾向にある.本邦からの報告では,男性では眼病変や神経病変が,女性では陰部潰瘍や関節炎の頻度がやや高くなるとされる1).表2のように本邦からは3つ,海外からは1つのガイドラインが発表されており,特に本邦のガイドラインでは病態,疫学,症状,検査,診断・鑑別,治療について詳細に記載されている.本稿では,その活用法,限界,国内外の相違点について,下記に質問形式にてまとめる.
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