特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて
11.全身症状を伴うぶどう膜炎
Behçet病
藤野 雄次郎
1
1東京厚生年金病院眼科
pp.237-243
発行日 2007年10月30日
Published Date 2007/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102035
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はじめに
Behçet病はぶどう膜炎,口腔アフタ,外陰部潰瘍,皮膚症状などを特徴とする難治性炎症性疾患で,全身に急性炎症を繰り返し起こす。1937年,トルコのHulûsi Behçetが口腔内,陰部,眼の炎症を三主徴とする炎症性疾患を報告したことから命名された。北緯30~45°のヨーロッパ,アジアに多くみられる疾患で「シルクロード病」ともいわれる。1972年に厚生省(現厚生労働省)が本症を難病としては初めて特定疾患に認定している。
Behçet病は,わが国ではVogt-小柳-原田病とサルコイドーシスとともに代表的なぶどう膜炎の1つであるが,他の2疾患と比べ,視力予後不良例が非常に多い。したがって,本症のぶどう膜炎は患者のQOL(quality of life)に与える影響が大きく,眼科医が重要な役割を担う疾患である。
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