臨時増刊特集 診断基準とその使い方
VII.膠原病・免疫・アレルギー疾患
Behçet病
吉田 赳夫
1
1福島医大第2内科
pp.2046-2047
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207593
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はじめに
1937年より1938年にかけて,イスタンブール大学皮膚科教授のHulusi Behçet氏は,3つの症状をそろい持った症候群を報告し,一つの疾患単位とすることを提唱した.これは口腔内の数箇のアフタと,陰部の潰瘍と眼の虹彩炎とから成り,これらが幾年もの間くり返し出没し,慢性の経過をとるというのであった.その後,多数の類似症例の報告があり,その異同,分類などにつき議論されたが,その原因は未詳である一ただ,これを一つの疾患として認めてゆくうちに,この症候群を呈するものの中に,同時に内臓諸臓器もまた侵されるものがしばしばあることが知られてきた.そして今日では,Behçet病とは,全身性の多系統的疾患で,発作性に再発と増悪をくり返し,病理学的には血管病変,血管炎が共通して認められるものである,と考えられている.
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