特集 呼吸器疾患1
10.安定期COPD—閉塞性換気障害の程度だけでなく,患者全体を診る視点が重要
羽白 高
1
Takashi HAJIRO
1
1天理よろづ相談所病院 呼吸器内科
pp.189-199
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900287
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慢性閉塞性肺疾患chronic obstructive pulmonary disease(COPD)患者の管理を呼吸器専門医だけでなく,ホスピタリストもその特性を活かしてカバーできれば,COPD患者への福音となるだろう。患者数の増加,呼吸器内科医の不足といった現状では,すべてのCOPD患者を専門医が診るのは不可能である。また,高齢者のCOPDでは,種々の併存症があることが少なくなく,そのケアにあたっては患者全体を診る視点が求められ,まさにホスピタリストが重要視しているところである。
本稿では,COPDの概略を述べ,安定期COPDにおけるさまざまな評価方法〔呼吸困難やクオリティオブライフ(QOL)など〕を解説し,専門医のみならず,ホスピタリストが実践できる管理方法(薬物療法,非薬物療法)を説明する。なお,COPDに関する代表的なガイドラインを適宜引用する。1つは,日本呼吸器学会の「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第4版」1)(以下,ガイドライン第4版)であり,もう1つは「Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease updated 2014」2)(以下,GOLD2014)である。両者ともに実践的な内容を明快に提示していて,COPDの臨床に携わる医療関係者なら是非目を通してほしい。
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