特集 呼吸器疾患1
8.急性に発症する間質性肺炎:①間質性肺炎急性増悪—今そこにある危機:急性増悪か否か,それが問題だ
立川 良
1
,
富井 啓介
2
Ryo TACHIKAWA
1
,
Keisuke TOMII
2
1京都大学大学院 医学研究科 呼吸器内科学
2神戸市立医療センター中央市民病院 呼吸器内科
pp.119-131
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900282
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「間質性肺炎」という呼称が包括する疾患群は,その病因・治療とも多様であり,理想的には呼吸器専門医が診断・治療にかかわるべきものと言える。ただし,急性経過で呼吸不全をすでに生じている症例においては,早急な治療開始が必要とされる場合が多く,初期の診断・治療が非専門医の手に委ねられることも十分に考えられる。
本稿では,「特発性肺線維症idiopathic pulmonary fibrosis(IPF)患者にみられた急性呼吸不全」を題材として,「間質性肺炎急性増悪」「急性間質性肺炎acute interstitial pneumonia(AIP)」「特発性器質化肺炎cryptogenic organizing pneumonia(COP)」について解説する。背景となる特発性間質性肺炎idiopathic interstitial pneumonias(IIPs)の理解も必要であるため,内容はいきおい専門的内容も含まざるを得ないが,臨床での思考回路をたどる形で十分な実戦的知識を盛り込むよう配慮したつもりである。
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