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米国家庭医療学会(AAFP*1)1)は,家庭医療レジデンシーの修了までに到達すべき予防医療のコンピテンシーを以下のとおり定めている。
・医療者間,医療機関,行政との間で予防医療をコーディネートできる。
・リスクの軽減や,疾患スクリーニングと予防のために,患者やその家族に対して効果的かつ共感的なコミュニケーションを行うことができる。
・全年齢の患者にヘルスプロモーションと疾病予防を実施するために,最新のエビデンスに基づいた推奨を同定できる。
・健康的なライフスタイルを実践することを通して,予防医療の原則を受け入れていることを示す。
・健康的なライフスタイルの促進や,疾病予防に着目して,病歴聴取と身体診察を実践できる。
・疾患スクリーニングを適切な時期に実施するために,患者に対するリマインダーシステムを運用することができる。
・現在のヘルスケアシステムのなかで患者の権利を擁護しながら,健康維持や疾病予防を改善するために,システムの改善に取り組むことができる。
・医療の質・安全・アクセスに焦点を合わせた,継続的・包括的・連携のとれたケアを提供するというpatient-centered medical homeの理念に共感することができる。
・患者や医療チームのメンバーとともに,ヘルスプロモーションと二次予防の観点から,慢性疾患ケア計画を立ち上げ,モニターし,相談することができる。
・家族志向性に基づいた患者ケアに対するアプローチと,患者を取り巻く重要な関係のコンテクストを評価できる。
上記コンピテンシーに,診療の場と対象を加えてまとめると表1のようになる。前章までは,特に個々の患者ケアについて述べているので,本稿では地域での予防医療の実践を中心に概説する。
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