特集 外来における予防医療
【コラム】予防医療の進化形としてのClinical Quality Improvement—診療の改善を目指し,結果を可視化するPDCAとその研修施設での実践
廣岡 伸隆
1
Nobutaka HIROOKA
1
1自衛隊中央病院 総合診療科
pp.326-329
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900244
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予防医療は,家庭医,総合診療医のみならず,病院やクリニックで一般診療を行う医療従事者にとって,避けて通れない課題であろう。日本の主な死亡原因である動脈硬化性疾患や癌の予防施策として,国が推進する「健康日本21」*1や,これに基づく都道府県,市町村での生活習慣改善への取り組み*2も多数報告されている。また,人口動態統計などに示される死亡原因のような,疫学的データをみるまでもなく,診療を行う医師であれば,心筋梗塞や脳卒中,癌,あるいはうつ病などの基礎疾患からの自殺などに遭遇し,これらに対する予防医療の重要性を直接感じることがあるだろう。かかりつけ医とよばれる医師は,外来診療の場面で,常に自分の患者に適切な予防医療が提供されているかを意識して診療を行っていると思われる。これは継続診療を提供する者の大切な役割でもある。
本稿では,予防医療を考えるうえで理解しておくべき概念として,clinical quality improvement(CQI)について,Pittsburgh大学での事例も紹介し,解説する。
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