Editorial
「おせっか医」のすすめ―家庭医療における家族志向の予防医療
藤沼 康樹
1
1日本生協連医療部会家庭医療学開発センター
pp.949
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100465
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ある日,25歳の男性が,咽喉が痛く38℃の熱があるとのことで,診療所を訪れました.所見からウイルス性の咽頭炎,つまりは「かぜ」という診断をしました.ここで薬を処方し,診察を終了するというのが,まあ普通の診療ですし,それ自体は正しい診療です.しかし,家庭医療学の観点から見た場合は,さらにいろいろ考える必要があります.
①家族構成を聞きます.すると,23歳の妻と8カ月の息子の3人暮らしであることがわかりました.この時期の家族が直面する課題は子育てといっていいでしょう.「子育ては慣れましたか?」「奥さんの手伝いをしてます?」とさりげなく聞くと,もしかしたら育児に関する困難があるかもしれません.家庭医として,彼の妻の相談にのれること(産褥期うつ,妊娠中に指摘され放置していた蛋白尿など)があるかもしれません.
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