特集 循環器疾患1
10.冠攣縮性狭心症—その診断には,臨床症状の特徴を確認することが大事
澤村 匡史
1
Tadashi SAWAMURA
1
1済生会熊本病院 検体検査管理室
pp.745-760
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900232
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冠動脈が血管平滑筋の収縮により,一過性に狭窄を生じることを冠攣縮という。冠攣縮は狭心症の発生機序の1つになっていて,冠攣縮によってもたらされる心筋虚血が引き起こす狭心症を冠攣縮性狭心症vasospastic angina pectoris(VSAP)とよぶ。なお,日本循環器学会の循環器学用語集(オンライン版)*1では,「vasospastic anginaという表現よりもcoronary spastic anginaが推奨される」としており,本稿でもcoroanry spastic angina(CSA)と表現する。以下,その病態生理と疫学,診断,治療を症例と合わせて概括する。
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