特集 代謝内分泌
1.低血糖—その臨床的意義,糖尿病・インスリン治療中の注意点
辻野 元祥
1
Motoyoshi TSUJINO
1
1東京都立多摩総合医療センター 内分泌代謝内科
pp.3-10
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900124
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日常診療において,糖尿病治療中であるか,あるいはそうではないかによって,低血糖という用語のもつ意味合いはまったく異なる。糖尿病治療中ではない場合,それが真に病的な意義をもつ低血糖症であるか否かを慎重に見極める必要がある。本稿の前半では,成人の低血糖症の鑑別診断について,チャートに基づいて詳説する。一方,実際に低血糖に遭遇する機会が多いのは,言うまでもなく糖尿病治療中の患者である。2型糖尿病では,特に中高年以降において,治療目標の厳格化がかえって認知症や生命予後の悪化に関与するリスクがある。インスリン治療中の患者では,無自覚性低血糖も大きな問題である。後半では,糖尿病患者における低血糖について論点を整理する。
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