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特集 いま一度 低血糖を考える
強化インスリン療法と低血糖予防
Prevention of hypoglycemia in intensive insulin therapy
太田 明雄
1
,
田中 逸
1
1聖マリアンナ医医科大学 代謝・内分泌内科
キーワード:
①強化インスリン療法
,
②超速効型インスリン
,
③持効型インスリン
,
④持続皮下インスリン注入療法
,
⑤SMBG
Keyword:
①強化インスリン療法
,
②超速効型インスリン
,
③持効型インスリン
,
④持続皮下インスリン注入療法
,
⑤SMBG
pp.619-623
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101258
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はじめに
強化インスリン療法とは,生理的なインスリン分泌動態に基づいたインスリン投与法であり,インスリンを頻回に注射するか,あるいは携帯型のインスリンポンプを使用した持続皮下注入療法(continuous subcutaneous insulin infusion : CSII)により厳格に血糖コントロールを行う治療法である.現在のところ強化インスリン療法は糖尿病の治療法の中では最も強力な方法であり,DCCT(Diabetes Control and Complications Trial)の結果から示されるように,糖尿病細小血管障害の抑制効果が期待できる.しかし,DCCTはインスリン従来療法と強化インスリン療法の効果の差を明確にした試験であったが,強化インスリン療法群では低血糖の頻度は従来療法群の3倍も高率にみられた1).重症低血糖は生命にかかわるだけでなく,頻回の低血糖により無自覚性低血糖を招き,高齢者では認知症を助長する.また,急激に血糖を下げると,網膜症や神経障害などの合併症が悪化することもある.本稿では強化インスリン療法を行ううえでの低血糖の予防について概説する.
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