特集 呼吸器疾患2
3.関節リウマチにおける呼吸器疾患—「とりあえず抗菌薬投与」ではなく,一段上の鑑別診断力を磨こう
羽白 高
1
Takashi HAJIRO
1
1天理よろづ相談所病院 呼吸器内科/呼吸管理センター
pp.259-269
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900042
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リウマチ患者に生じ得る呼吸器疾患は,感染症(細菌,抗酸菌,Pneumocystisなど),リウマチに伴う間質性肺炎や気道病変,さらに薬剤性肺障害と多岐にわたる。csDMARD*1(従来型抗リウマチ薬)に加えて,bDMARD*2(生物学的製剤)が幅広く使われるようになり,以前にも増して,呼吸器疾患への理解が必要となっている。
呼吸器科を専門としない医師(免疫内科医や整形外科医)が,多くのリウマチ患者の診療にあたっているだろう。そのため,患者に呼吸器系の問題が生じた場合,主治医の迅速な状態把握・判断とともに呼吸器科医との連携が重要である。ただ,呼吸器疾患を専門とする医師でも,リウマチ患者の呼吸器合併症の診断・鑑別には苦慮することが多く,両者の十分な連携の重要性を強調しすぎることはない。
本稿では,呼吸器診療を専門としないホスピタリストが,リウマチ患者に合併した呼吸器疾患の鑑別をよりスムーズに進めていけるように,症例を経時的に提示し,概説する。
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