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特集 実践! 外用薬をマスターする
《外用薬の基本を理解する》
抗菌薬の局所投与—全身投与との違い
Oto-topical antibiotics: Difference between systemic administration
河野 正充
1
,
保富 宗城
1
Masamitsu Kono
1
,
Muneki Hotomi
1
1和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
キーワード:
点耳用抗菌薬
,
レボフロキサシン
,
中耳炎
,
外耳炎
,
抗菌薬適正使用
Keyword:
点耳用抗菌薬
,
レボフロキサシン
,
中耳炎
,
外耳炎
,
抗菌薬適正使用
pp.975-979
発行日 2025年11月20日
Published Date 2025/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091434910970120975
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POINT
●点耳用抗菌薬は外耳炎や鼓膜穿孔を伴う中耳炎に有効であり,局所濃度を高く保ち副作用も少ない。しかし,鼓膜を透過しないため,鼓膜穿孔がない中耳炎には効果が期待できない。
●現在本邦で承認されている点耳用抗菌薬は6種類(レボフロキサシン,オフロキサシン,ロメフロキサシン,セフメノキシム,ホスホマイシン,クロラムフェニコール)であり,それぞれに特徴や臨床試験に基づいた有効性データが存在する。
●点耳用抗菌薬の効果を最大化するためのコツとして,耳漏の除去,正しい姿勢での点耳,耳珠のパンピング操作が推奨される。
●2023年に新たに承認されたレボフロキサシン耳科用液は,高い抗菌活性を示し,国内の多施設大規模試験にて高い有効性と除菌率を示した新規キノロン系点耳用製剤である。
●今後の展望としては,耐性菌対策としての高濃度局所投与の活用,バイオフィルム制御,ナノ製剤などを応用した新規送達技術の開発が期待されている。

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