実践!頭痛診療-頭痛に悩む患者をどう診てどう治す? 頭痛一般
一次性頭痛の病態はここまで解明された
柴田 護
1
1慶応義塾大学 医学部神経内科
キーワード:
Calcitonin Gene-Related Peptide
,
皮質拡延性抑制
,
三叉神経
,
頭痛-群発
,
中枢神経系
,
変異
,
副交感神経系
,
片頭痛
,
頭痛-緊張性
,
前兆のある片頭痛
,
頭痛-一次性
,
トリガーポイント
,
中枢性感作
,
片頭痛-片麻痺性-家族性
Keyword:
Central Nervous System
,
Cluster Headache
,
Migraine Disorders
,
Mutation
,
Parasympathetic Nervous System
,
Cortical Spreading Depression
,
Trigeminal Nerve
,
Calcitonin Gene-Related Peptide
,
Tension-Type Headache
,
Migraine with Aura
,
Headache Disorders, Primary
,
Central Nervous System Sensitization
,
Trigger Points
pp.729-734
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015211921
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一次性頭痛の病態は,現時点でも完全には解明されていない.片頭痛の前兆は,皮質拡延性抑制と呼ばれる大脳皮質の電気活動異常によって引き起こされていることが,ほぼ確実と考えられている.一方,頭痛の発生は三叉神経系の異常活性化が原因と考えられている.その際に,カルシトニン遺伝子関連ペプチドが重要な役割を果たしていると思われる.緊張型頭痛では,頸部筋膜に分布する感覚神経において,末梢性感作が成立することが頭痛発生に重要と考えられている.群発頭痛では,視床下部に病態の主座が存在すると思われるが,頭痛発作時は一側性の三叉神経系と副交感神経系の異常活性化が生じ,同側に生じる交感神経機能異常は二次的な現象と考えられている.
©Nankodo Co., Ltd., 2015