特集 栄養療法アップデート 後編
本邦ICUでの栄養療法—改善は,己を知り,隗より始めよ
東別府 直紀
1
,
Sioson Marianna
2
,
Daren K. Heyland
3
Naoki HIGASHIBEPPU
1
,
Marianna SIOSON
2
,
Daren K. HEYLAND
3
1神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科/NST
2Section of Nutrition, Department of Medicine, The Medical City
3Queen's University, Internal Medicine/Critical Care, Clinical Evaluation Research Unit, Kingston General Hospital
pp.429-435
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200647
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Heylandは,栄養療法改善のための提言を行ってきた。その提言とは,①Audit Your Nutrition Practice(自施設の栄養療法を監査し),②Standardize Care(できるだけ標準化したケアとし),③Identify Barriers to Feeding Patients(栄養療法を行う際の障害を特定し),④Improve Nutrition Knowledge(栄養療法の知識を改善し),⑤Be a Nutrition Champion(栄養療法の擁護者,闘士*1となれ)1)である。各施設の栄養療法を改善するためには,まず自施設の現状を把握し,ガイドラインの推奨などと比較し,実際に行っている栄養療法の問題点を把握する。次に,改善するための障害を特定し,その対策を考える。さらに,栄養療法の知識をブラッシュアップし,栄養療法の推進者,擁護者となり,改善していく。つまり,現状を把握しないことには改善はできない。この提言は,本邦のICUにも通ずる。そこで,本邦ICUでの栄養療法を改善するために,本稿では提言に従って,本邦ICUでの現状をできるだけ細部まで浮き彫りにする。
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