連載
え? 知らないの?TEG,ROTEM
倉島 直樹
1
,
森實 雅司
2
1東京医科歯科大学医学部附属病院 MEセンター
2済生会横浜市東部病院 臨床工学部
pp.392-401
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200639
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TEG,ROTEMとは?
トロンボエラストグラフィthromboelastography(TEG)やトロンボエラストメトリーrotational thromboelastometry(ROTEM)は,低い剪断応力下で血栓形成に伴う血液の粘弾性を測定する。全血での血栓形成を測定できるため,血小板と凝固カスケードの相互作用が評価できる分析装置である。
一般的な凝固機能検査の検査項目には,血小板数やプロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)などがある。これらの検査結果とTEG/ROTEMの結果は,必ずしも相関しない。それなのになぜ,TEG/ROTEMを使用するのだろうか? 周術期における主な死亡原因に,「出血性ショックの術前合併」と「手術中の大出血」の2つがあるとされる1)。それを防ぐには,いかに秒単位で変化する周術期の出血合併症を軽減できるかが重要である。そのため凝固機能に対する検査にも迅速性が求められ,さらに,凝固機能全体を把握できる検査が必要なのである。
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