Japanese
English
研究
トロンボエラストグラム(TEG)と凝固線溶能との相関について
Correlation between Each Value in Thrombelastogram (TEG) and Each Assay of Coagulation and Fibrinolysis
細野 幸多
1
,
棚倉 正江
1
,
林 明坤
1
,
柿沼 三郎
1
,
布施 養慈
1
Yukita HOSONO
1
,
Masae TANAKURA
1
,
Meikon RIN
1
,
Saburo KAKINUMA
1
,
Yohji FUSE
1
1帝京大学医学部附属溝口病院産婦人科
1The Dept. of Obstetrics and Gynecology, Univ. Hospital, Mizonokuchi, School of Medicine, Teikyo Univ.
pp.1215-1218
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912698
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はじめに
トロンボエラストグラム(TEG)は1947年Hartert1)により考案され,内因性血液凝固の開始から線維素溶解現象までの変化を経時的に記録し,血小板,凝固および線溶系の異常を知ることができる.血小板の減少や機能異常ではr,kの軽度延長とma (maximalamplitude)の縮少,血友病のような凝固異常ではr,kの著明な延長,XIII因子乏ではmaが徐々に減少,線溶亢進ではmaの縮少から消失,凝固亢進状態ではr,kの短縮とmaの増大などがみられる2).また線溶亢進でFLR(fibrinolytic rate:(ma-ma')/ma×100,ma'はmaより60分後の値)の上昇を認めるとの報告もある3,4).
最近,アンチトロンビンIII(AT III),α2プラスミン・インヒビター(α2—PI),プラスミノゲンなど比較的簡単に測定できるようになったが,実際にTEGによる測定値r,k,ma,FLRと血液凝固線溶検査値との相関をみた報告は少ない.今回われわれはTEGと血液凝固線溶能との相関について検討し,若干の文献的考察を加えた.
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