特集 人工呼吸器
Part 4.座談会
難しい呼吸器設定:私ならこうする
片岡 惇
1
,
岩永 航
2
,
安田 英人
3
,
竹内 宗之
4
,
則末 泰博
5
1東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門
2奈良県総合医療センター 集中治療部(収録時:浦添総合病院 救命救急センター)
3鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科
4大阪母子医療センター 集中治療科
5東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門
pp.730-741
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200549
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症例1
高血圧の既往のある70歳の男性。身長165cm,体重70kg。数日前からの咳嗽と発熱,来院当日からの著明な呼吸困難を主訴に来院した。
来院時の所見:意識GCS E4V4M6,体温38.5℃,血圧75/50(60)mmHg,脈拍120/min,呼吸回数35回/min,SpO2 85%(10Lリザーバー)。胸部単純X線写真にて,両側肺野に浸潤影。著明な努力様呼吸もあり,ERにて鎮静・筋弛緩のうえ挿管・人工呼吸器管理開始。2Lの補液後も低血圧があり,ノルアドレナリン投与が開始された。CT画像では両側下葉背側を中心にコンソリデーションを認めた。両側肺炎,ARDS,敗血症性ショックの診断にて,ICUに入室した。
ICU入室後:AC/PC,FIO2 0.7,Pi(Δ吸気圧) 15cmH2O,PEEP 15cmH2O,f 25回の設定,Vt 300mL(5mL/kg PBW),プラトー圧30cmH2O。SpO2 92%,PaO2 60mmHg,PaCO2 50mmHg,pH 7.25,HCO3 20mEq/L。
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