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酸素療法は小児にとって最も重要な治療法の1つであるが,その一方で適応や使用方法を誤ると重篤な合併症を生じ得るため,安全に酸素療法を行うためには正しい理解が必要である。本稿では,小児患者に対する酸素療法について,歴史的背景,生理学的な成人との違い,各疾患に対する酸素療法の適応と禁忌に関して最新のエビデンスや知見をもとに解説する。
Main points
●小児領域においては,1967年に高濃度酸素投与と未熟児網膜症の関連が示されたことを契機に,酸素療法の負の側面について認識されるようになった。
●小児では,肺や血液が未成熟な点,クロージングキャパシティが相対的に高く無気肺となりやすい点,生理的貧血の存在など,成人と異なる点があり,これらを考慮した酸素療法が必要である。
●使用するデバイスは,成人と同様にフェイスマスクと鼻カニューレによるものが一般的であるが,吸気流速が遅いことを考慮し,体格や呼吸状態から吸入酸素濃度を推定する必要がある。
●小児で酸素投与が必要な疾患は肺炎・細気管支炎が多く,ほかに喘息や慢性肺疾患の急性増悪,重症心身障害児の誤嚥性肺炎,先天性心疾患,術後低酸素血症などが挙げられる。
Oxygen therapy is among the most important therapies for pediatric patients. Since the inappropriate use of oxygen therapy may trigger serious complications, a thorough understanding of the indications for its use is essential. In this article, we discuss oxygen therapy for pediatric patients in light of its historical background, pediatric physiology which is distinct from adults, and disease-specific indications and contraindications for use of oxygen therapy based on the latest evidence and knowledge.
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