教室めぐり・35 大阪市立大学衛生学公衆衛生学教室
地域活動に重点
大和田 国夫
pp.348
発行日 1973年5月15日
Published Date 1973/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204668
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昭和23年2月,大阪市立医科大学が開設され,それより1年後,堀内一弥教授の就任により,24年4月に衛生学公衆衛生学教室が開講された.本学は当時,医学専門学校から大学に昇格する際,大阪における「予防医学と公衆衛生」に重点をおいた教育と研究を行なうという特色によって,大阪市会の承認となった所であるから,公衆衛生学講座に関しては当初6教授の計画であった.しかし,創設時3教授1研究室(推計学)となり,さらにそのうちの医動物学と別個の教室とし,現在は2講座1研究室となっている.この2講座は衛生学公衆衛生学教室と呼称しているように,内容は講座であっても,教育,研究,その他のあらゆる業務(教室予算も含めて)はすべて一教室として協同運営を行なっている.したがって,備品,消耗品も協同で使用し,週1回の集談会も合同で開き,開講以来705回目の集談会を迎えるに至った.また教室員の少なくなった現今,両講座が協力して種々の調査活動や公衆衛生活動に当たっている.しかし,研究分野は両講座で別かれ,故堀内一弥教授を主任とする講座は,労働衛生学を主力とし,工業中毒,ことに鉛中毒,有機溶剤中毒の予防,最大許容濃度の設定に関する研究をはじめ,特殊健康診断や各種工場における実態調査を実施して,労働者の健康維持に貢献するとともに,研究成果をあげている.
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