特集 中毒
Part 3 中毒の集中治療
【コラム】誤食により中毒を起こしやすい植物性自然毒
坂本 壮
1
So SAKAMOTO
1
1順天堂大学医学部附属練馬病院 救急・集中治療科
pp.765-768
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200437
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
自生している毒性のある植物を,食用のものと間違えて食する例が後を絶たない。厚生労働省医薬・生活衛生局は2016年5月に「有毒植物による食中毒防止の徹底について」(生食監発0503第1号)を出しており,そのなかで,食用と確実に判断できない植物については,絶対に「採らない」「食べない」「売らない」「人にあげない」ように注意喚起をしている。しかし,それ以降も植物性自然毒による食中毒は毎月発生している。植物性自然毒による食中毒は毎年一定数の中毒事例が報告されていること,1回の喫食量が少量でも症状が重篤化しやすく致死的となるものも存在することから,救急医療,集中治療に携わる医療者は常に気にかけておく必要がある。
Summary
●疑わなければ診断できない。食中毒を疑う患者では,自生している毒性のある植物の誤食も鑑別に挙げて対応する。
●摂取時間と症状の発現時間に注目する。摂取直後から数時間以内の発症であれば,中毒も鑑別に挙げて対応する。
●誤食しやすい植物は明らかとなっている。頻度の高い8つの植物性自然毒の特徴を頭に入れ,症状から自然毒を疑う。
Copyright © 2017, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.