特集 中毒
Part 3 中毒の集中治療
10.自然毒中毒—イヌサフラン,トリカブト,キノコ,ヘビ咬傷
大西 俊彦
1
,
小野 一之
1
Toshihiko OHNISHI
1
,
Kazuyuki ONO
1
1獨協医科大学 救急医学講座
pp.759-764
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200436
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自然毒のなかでも動植物による中毒は,細菌性食中毒に比べると件数,患者数はそれほど多くないが致死的になるものもあり,注意が必要である。これらは適切な治療をすれば助かることが多く,知識として備えておくことが必要である。本稿では頻度が高く,かつ重症度の高い自然毒中毒について概説する。
Summary
●イヌサフラン(コルチヒン)中毒の治療は,活性炭の投与と循環管理である。
●トリカブト中毒の特徴的な症状は不整脈であり,尿からのアコニチン類検出で確定診断となる。特異的な治療はなく,呼吸・循環管理を行う。
●キノコ中毒で注意すべきは原形質毒性型である。特異的な治療はなく全身管理を行うが,肝・腎機能異常や横紋筋融解症,多臓器不全に注意する。
●ヘビ咬傷では,創部洗浄,補液,破傷風予防,抗菌薬投与を行い,マムシ咬傷では,腫脹のGrade分類と全身症状から,重症化のおそれがある場合は抗毒素の投与を考慮する。ヤマカガシ咬傷では,出血や頭痛が認められれば,抗毒素の投与を考慮する。
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