特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第8章 中毒
覚醒剤,大麻,危険ドラッグによる中毒
後藤 正博
1
,
大谷 典生
1
1聖路加国際病院救急部・救命救急センター
pp.882-886
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_882
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診断基準
一般的に急性薬物中毒とは,化学物質の毒性によって生じた生体の急性有害反応と定義される.
薬物中毒の診断過程においては,血液・胃液・尿などの生体試料を用いた薬物定量検査,とくに薬物血中濃度測定が有用である.しかし,測定対象が不明確であることも多く,対象が絞れた場合にも院内で測定できる項目は限られていることから,測定を外部委託せざるを得ないことがほとんどである.したがって,薬物定量検査を受診患者の対応の拠り所とするには限界がある.実臨床では以下の4項目に注目して診断を行っていく.
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