特集 ICUエコー
Part 3 超音波ガイド下手技
16.血管穿刺
東 秀律
1
,
安田 英人
2
Hidenori HIGASHI
1
,
Hideto YASUDA
2
1武蔵野赤十字病院 救命救急センター
2鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科
pp.175-185
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200366
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中心静脈路は救急・集中治療領域において,昇圧薬,中心静脈栄養,大量輸液および輸血時の輸液経路や各種モニタリングにおいて重要であり,中心静脈路確保は基本的な手技として,いかなる状況でも安全かつ迅速に行わなければならない。過去に血管穿刺は,体表解剖学的指標をもとに行われていたが(ランドマーク法)1,2),習熟を要しかつ安全性と成功率,合併症の懸念から,現在では超音波ガイド下での血管穿刺が標準とされている3,4)。超音波ガイド下血管穿刺は中心静脈路確保時のみならず,動脈圧ラインや末梢静脈路確保時にも応用され始めている3,4)。
本稿では,主に中心静脈路における超音波ガイド下血管穿刺を中心に,末梢静脈路,PICC(peripherally inserted central catheter),動脈圧ライン,透析カテーテル挿入時における超音波ガイドの有用性について論じたい。
Summary
●中心静脈カテーテル留置において,内頸静脈,鎖骨下静脈,大腿静脈いずれにおいても,超音波ガイド下穿刺は成功率上昇と合併症軽減の観点から,標準的手技である。
●中心静脈カテーテル留置のみならず,動脈カテーテル留置や末梢静脈カテーテル留置においても,超音波ガイド下穿刺により成功率を上昇させ,合併症を軽減させることができる。
●超音波ガイド下穿刺での鎖骨下(腋窩)静脈穿刺は機械的合併症が少なく,カテーテル関連血流感染症のリスクが少ないことから,中心静脈カテーテル留置の第一選択となる。
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