連載 イラストレイテッド産婦人科小手術・5
―【穿刺】―腹腔穿刺
中田 好則
1
1京都第一赤十字病院産婦人科
pp.1531-1533
発行日 2005年11月10日
Published Date 2005/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100442
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1 はじめに
目的により診断的穿刺と治療的穿刺に区別されるが,卵巣癌などの腹水貯留例では細胞診による診断的穿刺が有用であることが多い.一方,外科領域では従来より急性腹症,鈍的腹部外傷,慢性炎症疾患の補助診断法として標準的手技であったが,最近では超音波診断やCTなどの診断法の普及のため診断的有用性は少なくなった.また,少量の腹水や膿性分泌物,血液貯留例ではダグラス窩穿刺法が簡便である.一方,治療的穿刺は腹腔ドレナージとして腹水や膿の排液に有用であり,同時に腹腔内洗浄や抗がん剤投与(IP)が併用されることも多い.この手技は一般外科医,救急医,産婦人科医にとって日常的な検査・診断法であることに変わりはない.
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