特集 ICUエコー
Part 2 Intensivistに求められる超音波診断
腹部消化器系・尿路系
【コラム】下痢の評価におけるエコーの役割—C. difficile腸炎を中心に
中島 幹男
1
Mikio NAKAJIMA
1
1都立広尾病院 救命救急センター
pp.156-159
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200363
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本稿では,ICUの下痢で注意すべきC. difficile腸炎のエコー所見と,そのエビデンスについて解説する。
Summary
●ICUにおいて,最も注意すべき下痢はC. difficile腸炎である。
●結腸は腸管内のガスが多く,正常例では観察しにくいことが多い。
●C. difficile腸炎では結腸の壁肥厚が起こり,内腔が相対的に狭小化することで結腸内のガスがなくなり,むしろ観察しやすくなる。
●病変の分布は左半結腸もしくは全結腸パターンが多く,結腸壁は不整に10mm程度まで肥厚する。
●CTで見られるようなaccordion signや腹水も観察され,非特異的な所見だが,重症C. difficile腸炎診断の一助となる。
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