病理との付き合い方 明日から使える病理の基本【実践編】 6
肝臓,胆道系,膵臓
西川 祐司
1
1秋田大学医学部病理病態医学講座分子病態学分野
pp.1215-1219
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101299
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病理組織(細胞)診断の対象となる肝・胆・膵疾患
まず,どのような肝・胆・膵疾患が日常の病理診断の対象になるのかを概観してみよう.
1. 肝臓
針生検の対象となる代表疾患はB型およびC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎である.自己免疫性肝炎,アルコール性肝炎,非アルコール性脂肪肝(non-alcoholic steatohepatitis:NASH),肝硬変,原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis:PBC),原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC)などに対しても針生検が行われる.また,肝アミロイドーシスやリソソーム病などの蓄積症の診断にも有用である.さらに,肝移植後の拒絶反応の評価には生検は欠かせない.肝腫瘍,特に肝癌は,画像診断で確診できない場合に,病変からの生検が行われる.転移性肝癌は肝部分切除検体として提出されることが多い.
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