特集 ICUエコー
Part 2 Intensivistに求められる超音波診断
中枢神経系
5.ophthalmic sonography
小山 洋史
1
Hiroshi KOYAMA
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 救急科
pp.45-49
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200348
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近年,眼球エコーを用いた視神経鞘径optic nerve sheath diameter(ONSD)と頭蓋内圧intracranial pressure(ICP)との関連が注目されている。眼球エコーは簡便かつ非侵襲的であり,実臨床におけるさまざまな応用法が模索されている。救急領域では眼球破裂,網膜剝離,硝子体出血などを眼球エコーで診断する方法1,2)が報告されている。非眼科医にとって診断の一助となるツールとして興味深い話題であるが,誌面の関係で本稿では割愛する。本稿では,ONSDとICPとの関連に焦点を絞って記載を進めていきたい。
Summary
●視神経鞘と頭蓋内のくも膜下腔には交通があり,頭蓋内圧の変化に伴い視神経鞘の径が変化する。
●頭蓋内圧が亢進すると視神経鞘が拡大する。その変化は即時的である。
●視神経鞘径は眼球より3mm遠位の位置で,高輝度の硬膜の内側を計測する。
●頭蓋内圧亢進の普遍的なカットオフ値は不確定である。過去の知見から5mm以下で正常,5.7mm以上で頭蓋内圧亢進と考えて大きく間違いはない。
●エコーを長時間眼球に当てることは極力避ける。
Copyright © 2017, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.