談話室
ボストン便り—(1) The Ophthalmic Pathology Clubについて
生井 浩
1
1久留米大学眼科
pp.1391-1393
発行日 1957年11月15日
Published Date 1957/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206177
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眼科医で今迄に此の国を訪れた人は少くはないであろうが,日本の眼科に全く知らされていないものが1つある。それはOphthalmic Pathology Clubである。本年2月,私共の研究室のテクニシアンがコーツ氏病眼球の組織標本を何枚も作つているので,其の理由を訊ねた所,Dr. Cogan (此の研究所の所長)が4月始めのワシントンのMeetingに持つて行くのだとの返事であつた。それで後でコガン教授に何の会ですかと訊ねた所,Op-hthalmic Pathology Clubの会合で,此の会は毎年4月始めワシントンで開かれ,30名の会員全部が各自30枚宛の標本を持寄り,帰りには各人が他の会員から貰つた29枚の異なる標本を持つて帰るのだと教えてくれた。
此の会は後記する様にformalな会ではないが,アメリカ眼科学会の優れた企ての一つと云える。此の様な組織は日本の眼科学会でも是非持つようにしたらと思う。それによつて日本の眼科学に於ける病理学の一般水準を著しく向上させるだけでなく,後進の人達の教育や研究に大きな便利を齎らすからである。
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