特集 管/ドレーン
第5章 別な視点からの“管”
【コラム】瘻孔・ストーマ
神田 幸洋
1
,
久貝 香
1
Yukihiro KANDA
1
,
Kaoru KUGAI
1
1沖縄県立北部病院 看護部
pp.648-657
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200305
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集中治療医,特に内科を背景にした医師にとって,瘻孔やストーマは馴染みが薄く,いったい何をどう管理すればよいのか皆目見当もつかず,畏怖の対象となってしまっている読者も少なくないのではなかろうか。ストーマは,まだ馴染みのあるものかもしれないが,外科医にとっても瘻孔は,その管理の困難さから,ひとたび発生するとがっくりと肩を落としたくなるものである。
エビデンスベースで語ることはなかなか難しい分野ではあるが,本コラムでは別な視点からの“管”として瘻孔とストーマについてその概要を述べる。その苦手意識払拭の一助となれば幸いである。
Summary
●瘻孔の多くは手術に関連した合併症である。
●瘻孔の治療には時間を要するが,まずは循環管理,感染のコントロール,栄養療法,排液のコントロールと周囲組織の保護が重要である。
●瘻孔が自然閉鎖するまで待つか,手術に踏み切るかは,患者の全身状態や瘻孔の性質によって左右される。
●瘻孔・ストーマの管理は外科医,集中治療医,消化器内科医,放射線科医,皮膚・排泄ケア認定看護師など多職種の協力が不可欠である。
●管理困難なストーマとなることを避けるためには,早期合併症を予防し,ストーマ創を一期的に治癒させることが理想である。
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