特集 ICUで遭遇する血液疾患
Part 1 ICUでのコモンプロブレムの鑑別診断と対処
1.重症患者に併発する血液疾患
1-2.播種性血管内凝固症候群—各診断基準の特性と治療薬の動向
早川 峰司
1
Mineji HAYAKAWA
1
1北海道大学病院 先進急性期医療センター
pp.231-239
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200154
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現在,国内で用いられている播種性血管内凝固症候群disseminated intravascular coagulation(DIC)の診断基準には,以前から用いられてきた厚生労働省DIC診断基準1),2001年に国際血栓止血学会International Society on Thrombosis and Haemostasis(ISTH)から提示されたovert DIC診断基準とnon-overt DIC診断基準2),2005年に日本救急医学会から提示された急性期DIC診断基準3)などがある。急性期DIC診断基準は,その作成過程や診断特性なども英文論文として公表されているが,本診断基準を利用した日本以外からの報告は少ない。国際的に“広く”用いられている診断基準は,ISTHのovert DIC診断基準である。
本稿では,これらの診断基準について解説したうえで,治療薬の動向について述べる。
Summary
●DIC診断基準によるDIC診断は,予後不良患者の抽出に優れている。
●最近,日本血栓止血学会から新たなDIC診断基準案が提示された。
●日本,英国,イタリアの3か国から,DIC治療に関するガイドラインが国際的な雑誌に公表されている。
●これらのガイドライン公表後,アンチトロンビンとトロンボモジュリンに関する興味深い報告がいくつかなされた。
●トロンボモジュリンの第Ⅲ相試験の結果が待たれる。
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