特集 PCAS
Part 2 PCASの予後予測
【コラム】近赤外分光法による脳酸素飽和度測定は予後予測に有用か?
森澤 健一郎
1
,
田北 無門
1
,
藤谷 茂樹
2,3
Kenichiro MORISAWA
1
,
Mumon TAKITA
1
,
Shigeki FUJITANI
2,3
1聖マリアンナ医科大学 救急医学
2東京ベイ・浦安市川医療センター
3聖マリアンナ医科大学 救急医学
pp.656-660
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200102
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近赤外分光法near infrared spectroscopy(NIRS)の心停止後患者への使用については,その評価が始まったばかりである。本稿では,現時点で検索可能な文献を参考に,NIRSの現状と臨床応用について述べる。
本稿では,NIROの測定値を組織酸素化指数(TOI),INVOSの測定値を局所酸素飽和度(rSO2)と表記した。一般論,またはその他の機種での測定値は組織酸素飽和度(StO2)と表記した。特に記載がなければ測定部位は前額部であり,脳の組織酸素飽和度を示している。
Summary
●近赤外分光法によって得られる脳酸素飽和度は,心停止後の脳損傷の評価と,脳保護戦略の指標として期待されている。
●測定部位にプローブを貼付するだけの利便性と,即座に結果を得られる特性から,制限の多い蘇生治療の現場での使用に適している。
● 測定原理と部位が機器によって異なり,測定項目も統一されていない問題点がある。本邦ではNIRO(浜松ホトニクス)とINVOS(コヴィディエン ジャパン)が使用できる。
Copyright © 2014, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.