第2回樫田記念賞受賞論文・3
血液酸素飽和度の分光光度法による測定—Flow cuvette法の試み
松本 佶也
1
1東大病院中検
pp.945-950
発行日 1974年9月15日
Published Date 1974/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917346
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血液ガスの測定を血液Hb誘導体の分光学的定量法によって行おうとする試みは,Drabkinら1)の血液Hbの比色定量実験,Hb誘導体の分光学的波長域と分子吸光係数の規定などによって,種々測定法がくふうされてきた.測定波長のおもなものは表にみられるように種々のものが用いられている.
これらは0.01〜0.75mmあるいは分光光度計の1cmのlight pathを持つキュベットやセルを用い,計測装置に改良くふうを加えて測定した.最近では659と811nmでPalanyiら11)が,660と805nmで亀谷ら12),川上ら13)がFiberop-tic Catheterを血管内に挿入して測定に成果を得ている.これらの測定法は等吸光点を含む2点測定法で,近赤外波長域測定法と可視波長域測定法に大別され,大部分は測定値がLambert-Beerの法則に従うことと,酸化Hbと還元Hbの吸光度の比から血液ガスの中の酸素飽和度を算出定量しようとするものである.
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