Japanese
English
特集 虚血再灌流と臓器障害
カルシウムと再灌流障害
Calcium and Reperfusion Injury
橋本 克次
1
,
吉岡 淳
2
,
今橋 憲一
2
,
楠岡 英雄
3
Katsuji Hasimoto
1
,
Jun Yoshioka
2
,
Kenichi Imahashi
2
,
Hideo Kusuoka
3
1国立大阪病院循環器科
2大阪大学医学部バイオメディカル教育研究センタートレーサ情報解析学研究部
3国立大阪病院臨床研究部
1Department of Cardiology, Osaka National Hospital
2Division of Tracer Kinetics, Biomedical Research Center, Osaka University Medical School
pp.43-49
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902224
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はじめに
虚血に陥った臓器は可逆的障害期を経て非可逆的障害期へと進展する.この途中にて再灌流されれば障害は阻止できると考えられるが,再灌流自体が新たな障害を加えることが実験的・臨床的検討から指摘されており,再灌流障害と呼ばれている.再灌流障害の発生機序には,再灌流時に産生されるフリーラジカルと,再灌流がもたらす細胞内カルシウムの過剰状態(Caオーバーロード)の両者が大きな役割を演じることが知られている.虚血性の障害にCaが関与することは古くから指摘されていたが1),再灌流障害とCaとの関連は比較的最近になって指摘されたことである.ここでは,心臓をはじめとする種々の臓器での再灌流障害におけるカルシウム・イオンの重要性を述べる.
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